サイコパス② 実は脳の機能障害

1 サイコパスは脳のある部分に欠陥がある

最近の脳科学の発達により、サイコパスの脳にはある欠陥があることが分かってきた。

つまり、脳の中でも、人格を作ったり、感情をコントロールしたり、社会性を作ったりするのに重要な働きをするのが、前頭葉であるが、サイコパスはこの前頭葉の中でも眼窩(がんか)前頭皮質と偏桃体(へんとうたい)の働きに欠陥があると推定されている。

「サイコパス・インサイドーある神経科学者の脳の謎への旅」ジェームス・ファロン著は、画期的な内容を提供してくれる。著者は、彼自身が研究していたスキャン画像の中で非常に奇妙な脳を発見するが、その脳こそサイコパスの脳であると確信した。しかし、なんとその画像こそ彼自身の画像であったという驚愕の事実である。

著者は自己のルーツを探るが、父型の家系には数多くの殺人者が存在していたことがわかる。かれは自分に犯罪歴がなく又その兆候がないことから、それは幼少期に身体的、性的虐待を受けず愛情をもって育てられたからだという仮説を立てる。

しかし、ある医師から彼は躁鬱病(双極性障害)ではないかとの指摘を受け、あらためて「自分探し」を始める。かれは周りの人に自己の人物像を聞いて回る。その結果分かったことは、かれには「人に共感する」という感性が欠落していることである。もっとも、初めから、自分にない物を発見するのは難しいが、かれはそれを発見した。つまり、ほとんどのサイコパスは、生涯通じて、人の心の痛みが分かる(共感できる)人間になることはない。もし、そのような態度を示したとしても、それは演技であり虚偽である。

2 堂々と嘘をつく(周りの人は全員病気?)

前頭葉に欠陥があると何が起こるか?正常な人は嘘をつくとき、脈拍が上がったり、おどおどした態度になるが、サイコパスは恐怖心がないため堂々と嘘をつく。しかも嘘がばれても平気でその嘘の上書きをする。また、「言っていない」ことを「言った」と言う。「言った」ことを「言ってない」と言う。こんなことは自由自在である。あまりに堂々と嘘をつくので、相手は自分が間違っているのかと錯覚する。

仮に約束の時間に遅れたとしよう。
最初は「大渋滞で動きません」という。もちろん渋滞情報を調べれば嘘と分かる。
次は、「子供が高熱で救急車で運ばれた」という。その次は、「義母が危篤で病院にかけつけた」という。
もちろん、どこの病院かを確認すれば嘘と分かるのだが、普通はそこまで疑って追求し確認しない。
だから平気で次から次へと身内を病気にして、自分の遅刻を正当化する。そのうち、親戚家族全員が病気になるわけである。
このように、自分を正当化するために周りを貶めていく。

次回は、サイコパスは人生の目的をどこに置いているのかについて、また、彼らは恐怖心を抱かないゆえに、いかに危険で刹那的な人生を歩むかについて、お話ししたい。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください