和ばら(WABARA)の魅力を世界に発信

 

バラといえば真紅のバラを誰もがイメージするだろう。しかし、ローズファームケイジの農園には真紅のバラはない。そこには、淡い色合いの和バラ(WABARA)が一面に咲いている。

初めて、滋賀県守山市にある、バラ園を訪れた時、まずそのことに驚いた。和バラは優しい色合いと匂いで私たちの心をなごませる。

バラ園の中に立った時、そよ風が吹いた。暑くもなく、寒くもなく、蒸せるでもなく、かといって乾き過ぎず、そして機械的、規則的ではない、なんとも心地よい風だった。

太陽、土、空気、水、すべてが整わないと、きれいなバラは咲かないらしい。この農園には、「そのすべての自然条件が保たれている」と感じた。

國枝啓司(2代目))さんは、この和バラ(WABARA)の品種改良を絶え間なく続けてこられ、オリジナル品種は名だたるものだけでも50品種くらいある。いわば、和バラの新種改良の職人、達人である。そして、それら和バラ(WABARA)のすべてに、その顔と品性にふさわしい和風の名前がつけられている。「つむぎ」「しらべ」「ちぎり」「かなで」「ゆい」「友禅」「プリンセス雅子」 といった具合である。

國枝健一(3代目)さんは、当初、プロのサッカー選手を目指し、海外留学もされていたが(後にその経験が生かさることになる)、やがて、家業を継がれる。しかし、健一さんは、和バラ職人ではなく、それはお父さんに任され、それより和バラの持つ魅力を世界に発信したいと考えるようになった。そればかりではない。和バラの持つ可能性のすべてに挑戦してみようという野心を抱くようになった。花束、プーケット作りからはじまるブライダルビジネス、バラの育て方、バラ園の作り方はもちろんのこと、バラの水やにおいの成分を生かした化粧品や健康食品の制作まで、幅広い商品開発を手掛けられている。

和バラの世界発信も着々と進んでおり、アメリカ、カナダ、ケニア、コロンビアにはその発信基地がすでにできている。これから、和バラは、ヨーロッパや中国など全世界に咲き誇っていくであろう。

昨年、7月 WABARA café(和バラカフェ)が守山市の駅の近くにオープンした。このお店には切り花はもちろんのこと、有機栽培のお茶や、最高の豆を焙煎したコーヒー、手作りのスイーツなどが提供されている。客数はどんどん増えており、地元で人気の店となっている。

ローズファームケイジ

今年、4月28日、琵琶湖畔に壮大な第二農園と多目的ホールが完成した。この竣工式に私たちは招待していただいた。バラ園を両脇に挟んで、中央には4メートルの道路が敷かれ、その道は多目的ホールへとつながっている。ホールは工場であり、またイベントホールにもなっている。

おそらく将来、両脇に和バラが咲き誇るバージンロードを経て、イベントホールへと向かう、美しく厳粛な結婚式がとり行われるであろう。

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